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どのお花にしようかな?  以上児

 今、以上児さんのお部屋には観葉植物やお花があちこちに飾られています。子どもたちは、テーブルの上の植物の匂いを嗅いでみたり触ったり、お水が減っていると水道のお水を入れてくれたりし、自然に対する優しい気持ちが育っていると感じています。

 園庭に出るとMちゃんが何かを探している様子でした。左手にはシロツメクサ、右手ではピンクのお花を摘もうとしています。お花を探していたのだと気づきましたが、それだけではなく以上児の室内の花瓶に挿す、茎が長いお花を探していました。

 「なんで長いお花がいいの?」と尋ねると、一度お花を見つけたけれど茎が短く、このままでは茎が水まで届かなくて枯れてしまうね、とK先生と話したようで長いお花を探しているとのことでした。

 Mちゃんとお花を探していると、そこにKちゃんが来て「葉っぱも飾りたい」と言いました。それを聞いたMちゃんも葉っぱを飾りたくなったようで、園長先生にKちゃんが指さす植物を切ってもよいか聞きに行こう、となりました。園長先生に「この花瓶みたいにしたくて葉っぱが欲しいんだよね?」と尋ねられると、うんうんと大きく頷くMちゃんたち。自分たちの考えや思いが伝わりとてもうれしそうな表情でした。

 ハサミを借り、さっそく飾りたい部分の枝を切ってみることにしました。すると、その様子を見ていたお友だちが「私も切りたい!」と言ったので1人1回ずつ切りました。普段、紙や空き箱を切る時よりも硬い枝やハサミの大きさも違うことに驚いている様子でしたが、しっかり枝葉の部分を掴んで力を入れて、切る事が出来ました!

 室内に入り、一度花瓶に花を挿して‘’こんなふうにしたい‘’とシミュレーションをしてから花瓶に水を入れます。スムーズに花瓶に入らない時にはKちゃんがサポートをしてくれていました。Mちゃんが飾った花瓶にはMちゃんとKちゃんが摘んだお花と葉っぱが入っています。TちゃんとAちゃんはそれぞれ花瓶を見つけて飾りました。

 Mちゃんの‘’お花を飾りたい‘’という気持ちは、たくさんのお友だちの心を動かしました。私たちが普段何気なくしていることを子どもたちはよく見ていて興味を持ち‘’してみたい‘’という気持ちに繋がったのだと実感しました。室内にいても「自然」と関わることができ、心が安らぐ空間をこれからも作っていきたいと思います。そして、その自然との関わり方や生命尊重などの大切さも伝えていきたいと改めて思ったエピソードでした😊